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 日本銀行が26日公表した2020年度上半期の決算によると、9月末時点の総資産は690兆269億円と過去最高になった。新型コロナウイルス関連の政策対応で、国債や金融機関への貸出金などが増え、半年間で85兆円超も膨らんだ。

 総資産のうち急増したのは貸出金。新型コロナの影響を受けた企業への融資を促すため、金融機関に有利な条件で貸す制度を3月以降広げてきた。その結果、3月末の54兆3286億円から104兆8956億円にほぼ倍増。金額と増加幅がともに過去最高だった。

 金利を低く抑えるために市場で買い入れる国債は、3月末の485兆9181億円から529兆9563億円になった。満期まで1年未満の短期国債が特に増え、3月末の約3・6倍の44兆円台に。政府が緊急経済対策などの財源にするために発行した短期国債を、日銀が買い支える構図だ。

 新型コロナの影響による株価急落で、上場投資信託(ETF)の買い入れ枠も3月に増やした。購入額が増えたうえ株価回復の恩恵も受け、9月末の時価ベースでの保有額は40兆4733億円(含み益5兆8469億円)となった。東京証券取引所の1部上場企業の時価総額の6・5%に相当する規模まで膨らんだ。

 含み益は株価が急落した3月末に3081億円と含み損の寸前だった。相場回復に助けられたが、価格下落で損失リスクが再び高まる。中央銀行の資産構成が市場変動の影響を受けやすくなっている。買い入れを増やした社債は9月末で191億円の含み損だった。

 日銀内ではETF買い入れ継続に慎重論もあるが、黒田東彦総裁は「当面は必要な政策だ」と継続する考えを示している。(渡辺淳基