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 新型コロナウイルスの感染が急拡大し、各地の医療機関で病床や人手不足が深刻化している。クラスター(感染者集団)の多様化や院内感染の広がりに厚生労働省の専門家組織(アドバイザリーボード)が警戒を促した地域で、医療はどうなっているのか。

 北海道第2の都市・旭川市。感染者を受け入れていた基幹病院でもクラスターが発生し、アドバイザリーボードは「厳しい状況となりつつある」と評価した。西川将人市長は「さらに感染が広がれば、基幹病院の市立旭川病院の感染症病床を増やして対応せざるを得ない。だが医療スタッフをその病床へ振り分けると、総合病院としての機能は果たせなくなる」と危機感を募らせる。

 きっかけとなったのは、6日に市内の病院で発生したクラスターだった。患者や職員に一気に広がり、26日時点で計125人が感染。さらに、感染者の治療にあたっていた市内五つの基幹病院の一つ、旭川厚生病院でも26日時点で計82人が感染し、24日から外来診療を休止した。再開は未定で、1日1千人超に上る同病院の一般外来患者の一部も、市内の医療機関が協力して受け入れる。

 しかし、基幹病院である市立旭川病院では、感染者向けの病床35床がすぐに埋まった。介助が必要な患者が多いため、通常の3~4倍の労力が必要で、看護師からは「手が足りない」と悲鳴が上がる。斉藤裕輔院長は「感染症病棟へスタッフを回し、緊急度の高い厚生病院の外来患者にも対応しなければならない」と説明。24日から外来受け付けの一部制限を始めており、「症状が軽い外来の方には、近所のかかりつけ医への受診をお願いせざるを得なくなっている」と話す。

 道は25日に市内のホテルを借り上げ、軽症・無症状者向けの宿泊療養施設を開設。市も独自の宿泊療養施設の開設を検討するなど、対応に追われている。

 道内では札幌市でも感染者が急増しており、市立札幌病院は26日までに感染者の受け入れ病床を前週から40床増やし、110床を確保した。ただし、それに伴いスタッフが必要になるため、産科・小児科、精神科を除き新規患者の受け入れを休止している。担当者は「不急の手術は極力延期するよう、各診療科にお願いしている」と話す。新規患者の受け入れを再開する時期は決まっていない。

 道央圏の3次救急を担う札幌市の手稲渓仁会病院でも、26日現在で看護師や患者ら33人が感染。12月4日まで外来診療を休止し、薬は電話で問診して処方箋(せん)を取りに来てもらっているという。入院や不急の手術・検査の休止期間も、当初の24日までから12月4日までに延ばした。救急診療は、一部の受け入れを制限せざるを得ない場合があるという。担当者は「一日も早く元の体制に戻したい」と話す。

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