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 新型コロナウイルスの影響で打撃を受けた飲食店を支援する国の「Go To イート」で、山形県内でもプレミアム付き食事券の販売が26日始まった。食事券目当ての行列ができる一方、全国で感染が広がる中でのスタートに飲食店側は感染防止に気を引き締めた。

 食事券はスーパー「ヤマザワ」の県内各店舗や郵便局で販売。5千円分の食事券1冊を4千円で購入でき、現在登録されている県内の飲食店約1150店で来年3月末まで使える。

 山形市の「ヤマザワ松見町店」では、午前9時半の開店前から約300人が列を作っていた。食事券は店舗入り口付近に設けたカウンターで販売。上限の5冊をまとめて購入する人が多かった。

 先頭に並んでいた市内の40代の女性は、県が10月に発行した「県プレミアム付きクーポン券」がすぐに完売したことから、「今日は午前8時から並んでいました」。家族での外食に使う予定だが、「忘年会シーズンで感染への不安は残る。テイクアウトでも使えたらありがたい」と話した。別の女性(69)は「しばらくぶりに外食に行くきっかけになりそう。奮発しておいしいものを食べたい」。

 同社によると、この日は41店舗で計36万冊分の食事券を準備し、午後4時までに約3割が売れたという。

 ただ、飲食店側は難しい対応を迫られそうだ。

 JR山形駅前などで飲食店4店舗を営む「ジョウセン」(山形市)の担当者は、消費喚起に期待する一方で「正直、複雑な心境です」。休業明けの6月以降、店内の消毒などを徹底しながら営業を続けてきた。一時は前年比4割ほどに落ち込んだ売り上げも、徐々に回復傾向にあるという。「ここで感染者を出さないように、より一層気を引き締めないといけない」

 参加を見送った店もある。山形市で約20席の小料理屋を営む女性は「第3波と言われているし、今はおとなしくしていた方がいいかな」と話した。

 吉村美栄子知事は26日の定例記者会見で、県内の感染状況の各指標が全国に比べて低く、飲食店でのクラスター(感染者集団)の発生がないことから「発行停止などを求める状況にはない」との認識を示した。

 多くの飲食店で忘年会や新年会の予約が減るなど、経営的に厳しい状況が続いているとして、「感染防止に努めながら、経済を回していくことが大事」と利用を呼びかけた。一方で「高齢者や基礎疾患のある人など重症化のリスクが高い人は、飲酒を伴う会食は慎重に」と注意も促した。(西田理人、三宅範和)

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