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 秋田ゆかりの大相撲・元横綱大鵬(1940~2013)が、幕下時代に名乗っていた本名のしこ名「納谷(なや)」のサインを持つ男性がいる。25日には大鵬の孫、納谷(20)=本名・納谷幸之介=が新十両昇進を決め、しこ名を王鵬(おうほう)と改めた。一層の飛躍を願い、男性はサインを王鵬に見せたいという。

 男性は福岡県太宰府市の書店店主・高橋純一さん(73)。サインは一人前とみなされる関取がするものとされ、養成員の幕下以下の力士はしないという。大横綱の本名のサインを持っているのは珍しい。青森市の相撲史研究家・今靖行さん(68)によると、「聞いたことがない。通常、幕下以下はサインしてくれないので大変貴重だ。家宝にした方がいい」と話す。

 高橋さんが大相撲ファンになったのは小学生の時。両親が相撲好きで、九州場所を観戦したことがきっかけだった。当時住んでいた福岡市の家の斜め前に寺があり、大鵬が所属していた二所ノ関部屋が、その寺を九州場所の宿舎として使っていた。

 小学6年生だった1958年11月、高橋さんが朝一人で稽古を見学に行くと、自分よりも体格のいい相手に勝つ、際だって強い力士がいた。関取と思いサインを頼んだのが、当時は幕下上位力士の納谷だった。境内の木をてっぽう柱に見立てた仕上げの稽古を終えた納谷に近づいた。

 「十両以上でないからできない」と戸惑ったような表情で断られたが、「お願いします」と何度も頼むと、渋々「納谷幸喜」と、サイン帳に書いてくれたという。高橋さんは「うれしい以外になかった」と振り返る。

 翌59年5月、納谷は十両に昇進し、しこ名を大鵬に改めた。60年の九州場所で大関目前の大鵬に、高橋さんは「納谷幸喜」と書いたサイン帳を、あのときの僕だよと思い出してもらいたいと、宿舎の寺に持っていった。大鵬は「よくとっておいた」と頭をなでて、「納谷幸喜」と書いた同じサイン帳に交差するように「大鵬幸喜」とサインしてくれたという。

 あれから60年たち、今では大…

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