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 宮崎県都城市で、パッションフルーツやパパイアなど熱帯果樹の栽培に取り組んでいる青年がいる。同市平塚町の上田純市さん(32)。2017年2月に農園用の土地を購入してビニールハウスを建てた。珍しい種類の果樹の栽培にも挑んでおり、南九州大学(都城キャンパス)の学生たちが実習に訪れている。

 上田さんは熊本県出身。鹿児島大学の農学部と大学院でパッションフルーツの研究をした。その後、食品会社や宮崎県庁に勤めたが、「おいしい熱帯果樹を自分で栽培して、社会に広めたい」との思いが強まったという。都城市菖蒲原(あやめばる)町で3年間ほど、小さなハウスを建てて実験的に栽培していたが、平塚町に広い土地が見つかったため、両親と一緒に移住を決断した。

 「上田熱帯果樹研究所」という合同会社を設立し、父親の龍一さん(68)に代表に就いてもらった。現在、ハウスは計1700平方メートルほど。5種類のパッションフルーツやベトナム由来のバナナ、パパイア、キウイ、アボカドなどを栽培している。ブラジルでよく食べられているというジャボチカバも育てている。濃紫色の甘酸っぱい果実が幹に直接生える果樹だ。

 栽培の中心はパッションフルーツで、今季(6~8月)は約500キロを収穫して出荷したという。お菓子やジュースの材料として市内の菓子店などに納入。収穫体験で農園に来る人たちにも販売した。

 上田さんは現在、漬物製造会社で商品開発と品質管理も担当している。「二足のわらじ」をはいている状況だが、「作りやすくておいしい熱帯果樹を研究・開発したい」と意欲十分だ。

 この農園に実習に訪れる学生たちは南九州大学環境園芸学部の所属。4~5年前に上田さんと知り合ったという前田隆昭教授(果樹園芸学)らの引率で月に数回ほど通う。今月16日も2年生20人と指導補助役の4年生2人がやって来た。

 みんなでハウスの周囲をスコップで整備し、隙間が出来ないように下部をシートで覆う作業を行った。

 農業職の公務員に内定している4年の伊豆元啓介さん(21)は1年のときから上田さんの農園に実習に来ているという。「ハウスの建て方や土の配合、温度管理など、様々なことを実地で学んできました。農家の現場の状況を理解できた。卒業後の仕事にも生かせると思います」と話していた。(神谷裕司)

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