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 京都府埋蔵文化財調査研究センターは26日、福知山市夜久野町井田で発掘していた「稚児野(ちごの)遺跡」で約700点の石器が出土したと発表した。約3万6千年前の氷河期にあたる後期旧石器時代前半のもので、この時代の石器の出土量としては府内最多だという。

 後期旧石器時代前半の遺跡は、9月に府内最古と確認された上野遺跡(京丹後市)に次いで2カ所目。いずれの遺跡が古いかは分からないという。

 およそ3万年前の噴火で積もった火山灰の層より下の地層で、9カ所から出土した。刃の部分を磨いた「刃部(じんぶ)磨製石斧(せきふ)」や、槍(やり)の先に付けたと見られる「ナイフ形石器」が見つかり、他の地域から出た同様の石器から時期を特定した。

 約170キロ離れた隠岐諸島(島根県)の黒曜石、約100キロ離れた奈良県と大阪府にまたがる二上山周辺のサヌカイトも出土した。

 約700点のうち、原形をとどめているのは10点。刃部磨製石斧(長さ9~12センチ)やナイフ形石器(3~4センチ)、動物の皮をなめした搔(そう)器(4センチ)、削る際に使った削器(3センチ)。かけら(2~10センチ)が大量に出たことから同センターの担当者は「人が一定期間とどまり、石器を作ったり、狩りをしたりしていたと見られる」と説明している。

 同遺跡は広さ約3300平方メートル。牧川と畑川に挟まれた標高100メートルほどの日当たりのいい台地にあり、中国地方と北陸を結ぶ途中に位置する。石斧などの素材となった頁(けつ)岩や花崗(かこう)岩があり、狩りの対象の動物も近くにいることから、定着しやすかった場所とみられるという。

 調査は国道の改良工事に伴うもの。新型コロナウイルス対策のため現地説明会は開かない。28、29両日と12月5、6両日に、福知山市の夜久野町化石・郷土資料館で出土品の一部を展示する。(横山健彦)

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