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 栃木県佐野市(大和町・天明町)の太田家住宅の見世蔵・主屋など7件が、文化庁の文化審議会の答申で、国の登録有形文化財に加えられることになった。例幣使街道の宿場町・天明宿の中心部で、水運の拠点として繁栄した佐野市の栄華を示す建物として、高く評価された。

 答申があったのは20日。市によると、太田家は、1846(弘化3)年に呉服太物商を創業。佐野信用金庫の前身の佐野信用組合を1928(昭和3)年に設立し、地域経済の発展に寄与してきた。

 答申があった7件のうち、見世蔵は2階建てで、桁行きが約9メートル、外壁が土蔵造りで黒漆喰(しっくい)塗り。2階部分が桁を外に張り出した「出し桁造り」で、見世蔵の特徴を備える。この地方では使用例の少ない6寸(約18センチ)角の柱を使った強固な構造で、1875(明治8)年ごろに建てられた当初の姿が残る。主屋が連なり、重厚な造作だ。

 ほかの6件は、見世蔵に続く表門・石塀、土蔵3棟と、庭にまつられた八幡社、稲荷社。いずれも精巧な細工が行き届いた造りで、太田家の繁盛ぶりを物語る。1890(明治23)年に発行された「大日本博覧図」(東京・精行社)に描かれたのとほぼ同様に、現存している。

 市教育委員会文化財課は「周辺の姿が大きく変貌(へんぼう)する中、見世蔵から石塀と、重要な歴史的景観を形作っている」と評価している。(根岸敦生

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