2019年7月の参院選で5選した武見敬三参院議員(69)=自民、東京選挙区=の政党支部が参院選前、東京都選出の国会議員や都内の首長、議員らが代表を務める自民党の182人の政党支部に計530万円を交付したと記載したにもかかわらず、各支部が19年分の政治資金収支報告書に記載していなかったことがわかった。政治資金規正法は、支部間の交付金について、金額や支部名、交付日などを記載するよう定めている。
同法は、政治活動を「国民の不断の監視と批判」の下に置くことを目的としており、疑惑を招くことがないよう全ての収支を明らかにするよう求めている。
武見氏側が支出した交付金は、13年から18年までの計6年間で100万~400万円台で推移していたが、19年は計1512万円に増加。その時期は参院選前に集中しており、参院選後は1件だった。
都選挙管理委員会が今月17日に公表した19年分の収支報告書によると、武見氏が代表の政党支部「自由民主党東京都参議院選挙区第三支部」は参院選前の6月までに、国会議員や都内の市議、区長、区議ら計274人が代表の政党支部だけで計1431万円を交付していた。支部ごとの金額は1万~50万円だった。
一方、この274人の政党支部の収支報告書によると、少なくとも6割を超える182人の支部が、武見氏側からの交付金の全額または一部を記載していなかった。不記載の総額は計530万円にのぼる。
記載がなかった政党支部の内訳は、国会議員2人▽首長2人▽市区議149人▽昨年の統一地方選などで落選した候補者26人▽元都議と区議3人。
国会議員では、党政調会長の下村博文・衆院議員(66)=東京11区=と高木啓・衆院議員(55)=比例東京=の政党支部にともに1万円の記載がなかった。首長の政党支部で記載がなかったのは山崎孝明・江東区長(77)=5万円▽山本亨・墨田区長(59)=1万円。
下村氏の事務所は取材に「誤りがありましたので、修正いたします」と文書で回答した。高木氏の政党支部の会計責任者も「単純な事務的ミス。修正する」と答えた。武見氏の事務所は「寄付・交付金として支出したすべてを記載している」と答えた。
100人を超える東京都内の首長や地元議員らの政党支部が、武見敬三参院議員側から受けた資金を政治資金収支報告書に記載していませんでした。記事の後半では、記載しなかった議員らが取材に応じます。「覚えていない」「1万円って書かなきゃいけないんだっけ?」。議員らの説明の内容とは。
一方、交付金とは別に、武見…