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 韓国の情報機関・国家情報院は27日、国会の情報委員会(非公開)で米大統領選の結果をめぐり、北朝鮮が在外公館に対し、米国を刺激する言動や対応を取らないよう指示したと報告した。問題が生じた場合は大使らの責任を問うとも伝えたという。出席した与野党の議員が記者団に明らかにした。

 出席議員によると、国情院は、北朝鮮の公式メディアは米大統領選の結果について、過去は結果確定から10日以内に報道しているが、今回はバイデン次期大統領に関する報道をしていないと説明。その上で、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は親交を深めたトランプ大統領が去り、「再びゼロから始めることに不安を覚えている」との分析を示した。

 また出席議員によると、国情院は、北朝鮮が来年1月に予定する党大会で対米政策の方向性を示すと判断。党大会に合わせた軍事パレードも予定し、10月の前回パレードに続き、米新政権を意識して軍事力を誇示するとの見方を示した。

 新型コロナウイルスをめぐる北朝鮮の動向も報告された。ワクチン開発の情報を求め、外国の製薬会社を狙ってハッキングを仕掛けていたことを確認。また、防疫対策として中朝国境の封鎖を続けるほか、11月に入ってからは平壌を含め、複数の都市が外部と遮断された。こうした影響で貿易額は大幅に減少し、砂糖や調味料の価格は最近、年初に比べて4倍以上に高騰したという。

 正恩氏の意向とみられる非常識な指示も出ているという。北朝鮮ウォンが急落した責任を取らされて両替商が処刑されたり、新型コロナに海水が汚染された疑いがあるとの理由から、沿岸での漁や塩の生産が禁止されたりした事例が報告された。(ソウル=鈴木拓也)