後藤一也
拡大する筑波大付属病院の陽子線照射室=筑波大付属病院提供
がんの放射線治療が大きく変わってきた。がん組織だけを照射する技術が進み、働きながら治療を受けられるように工夫する医療機関も登場。照射の回数を減らす取り組みも始まっている。
2012年夏、関東地方の女性(45)は生後11カ月の長男(9)のおしっこが急に出なくなり、「これまでと泣き方が違う」と胸騒ぎがした。検査の結果、前立腺から膀胱(ぼうこう)にかけ、約5センチの「横紋筋肉腫(おうもんきんにくしゅ)」という小児がんができていた。
抗がん剤で腫瘍(しゅよう)を小さくした後、手術をした。腫瘍が取り切れていないと、再発する恐れがある。放射線をあてて腫瘍をきれいに取ることになった。
X線はがんを通過するため正常な組織にもあたる。成長障害につながる恐れがあると聞き、女性は不安に襲われた。入院中の別の子の親から「陽子線」について教えてもらい、がんで止まってピンポイントに照射できることを知った。主治医から筑波大付属病院を紹介され、治験に参加した。
約1カ月半、平日は毎日照射し…
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