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 新型コロナウイルスの影響で途絶えていた高知県内へのクルーズ船の寄港が30日、約11カ月ぶりに再開する。乗客を国内在住者に限定し、乗客や乗員はすべて事前にPCR検査を受ける。県は観光回復に期待する一方、乗客数を大幅に減らすため従前の規模に戻るには時間がかかりそうだ。

 寄港するのは国内クルーズ船の飛鳥Ⅱ。28日に神戸港を出発して瀬戸内海を通り、30日に高知新港(高知市仁井田)に到着する。到着後は高知市の桂浜や高知城をめぐるバスツアーが用意されているという。

 クルーズ船をめぐっては今年1月、横浜港に停泊していたダイヤモンド・プリンセス号でクラスター(感染者集団)が発生した。その後は各地で運航の中止が相次いだ。高知新港では1月6日に国内クルーズ船1隻を受け入れて以降、すべての寄港予定をキャンセルしていた。来年3月までに予定されていた寄港を含めると、計46回がキャンセルになる見込みという。

 クルーズ船は、県の観光客誘致に大きく貢献している。県港湾振興課によると、国内外のクルーズ船誘致による2019年の県内への経済効果は約6億1400万円。年間では計5万7040人の観光客が訪れた。

 客船の受け入れ再開に向け、日本外航客船協会(東京都)は9月、国の方針をもとにガイドラインを作成した。受け入れ側の自治体や客船を運航する船会社も準備を進めている。

 飛鳥Ⅱの乗客や乗員について、事前のPCR検査で陰性の場合でも、発熱がある場合は乗船できない。乗客定員は872人だが、半数以下の400人に限定する予定。ビュッフェスタイルだった食事は中止する。

 県内への国内クルーズ船の寄港は現在、30日も含めて計8回予定されている。だが、乗客が多い海外クルーズ船が再開するめどは立っていない。県港湾振興課の担当者は「海外からの受け入れは見通せておらず、県民の不安もある。徐々に客足が戻り、経済が回ることを期待したい」と話した。(加藤秀彬)

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