[PR]

 「漁業への影響の程度も審査し、判断した」。県は27日、防衛省が申請した馬毛島(西之表市)周辺海域でのボーリング調査を許可した。塩田康一知事は、国が計画する同島への米軍機の陸上離着陸訓練(FCLP)移転と関連の自衛隊基地整備への賛否とは一線を引いた「法令上の判断」としたが、計画に反対する市民らからは、許可の撤回を求める声が上がった。

 塩田知事は同日開会した県議会12月定例会で「法令に沿って審査し、本日許可する」と表明。その後、同省から漁業への影響を回避する対策が示されたことや、地元漁協から同意書が提出されたことなどを踏まえたと報道陣に説明した。

 調査のための同省からの許可申請は、海底の土地使用▽海底の土地土石採取▽岩礁破砕の3種で、県は9日に受理。県担当課によると、27日午後に九州防衛局種子島連絡所に許可の書類を出した。審査は、国有財産法や県漁業調整規則などの法令に基づくという。

 同省は、海底掘削時は濁りの拡散を抑え、トコブシの生息場所を破損しないなどの保全措置を講じるという。調査は37カ所で順次行われ、県は「周辺海域の利用を妨げるものではない」とする。許可を受け、同省はボーリング調査に「速やかに着手する」という。

 これに反対する動きも。「馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会」の三宅公人会長らはこの日午後に県庁を訪問。「地元の意見を無視するもので、到底許されない」とし、許可撤回を求める塩田知事宛ての申入書を提出。同行した地元漁師の西義春さん(68)は「馬毛島は唯一無二の漁場。いつまで漁ができるか不安だ」と訴えた。

 一方、一連の計画や今回の調査への反対を表明している同市の八板俊輔市長は今回の許可について「法令に沿って審査した結果の判断と聞いている。特段、申し述べることはない」とのコメントを出した。(小瀬康太郎)

関連ニュース