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 菅義偉首相が表明した温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにする目標に向けて、自民党内から原子力発電所の新増設や再稼働を求める声が相次いでいる。ただ、「原発に依存しない社会」を掲げる公明党は慎重姿勢で、与党内で政策の足並みがそろっていない。

 自民の総合エネルギー戦略調査会(会長=額賀福志郎元財務相)は近く、原発の新増設の検討などを政府に求める方針だ。提言原案では、再生可能エネルギーについて「最大限導入に挑戦すべき」だとする一方、「全ての需要を満たすことは現実的ではない」と指摘。既存原発の最大限活用に加え、新増設やリプレース(建て替え)の検討などを挙げ、「国家戦略としての原子力の持続的な利用システムの構築」を求めた。

 下村博文政調会長も11日の会見で「原発の再稼働を前提に入れる必要がある」と発言。二階俊博幹事長が本部長を務める「2050年カーボンニュートラル実現推進本部」の会合でも、原発の新増設などが必要だとの意見が上がっている。

 一方、公明は「原発に依存しない社会を作ることが基本」(竹内譲政調会長)との立場。石井啓一幹事長は10月29日の会見で「原発の新設は基本的には認めない。長期的には依存度を少しずつ低減させていくべきだ」と述べ、前のめりな自民にクギを刺した。(大久保貴裕)