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 公明党の石井啓一幹事長は27日の記者会見で、政府が待機児童対策の財源として検討している児童手当の縮小について、「こうした財源議論は子育て支援のあり方から外れているのではないか」と批判した。公明は次期衆院選や来夏の東京都議選への影響を懸念して反対の立場を強めており、今後、菅政権との間で火種になる可能性もある。

 児童手当は中学生以下の子どもがいる世帯が対象で、扶養家族の人数に応じた所得制限があり、夫婦で所得が高い方を基準として支給の対象か決める。政府はこの算定基準を「夫婦の所得の合算」に変更する方針。また、対象外の世帯への子ども1人あたり月5千円の「特例給付」の見直しも検討している。

 石井氏は「現在は多くの家庭が共働きで、特例給付の廃止や世帯合算にすると、コロナ禍の中で給付が減る家庭も出てくる」と指摘。「待機児童の解消は重要な課題だが、財源は予算全体の中で捻出していくことが本来のあり方だ」とした。

 公明幹部によると、党本部には反対する支持者からの電話やメールが殺到。「特に東京では夫婦合算で所得制限を超える世帯も多い。これを通したら都議選や衆院選は負ける」と危機感を募らせている。

 一方、自民党の下村博文政調会長は27日、記者団に「待機児童に充てるスタンスで今議論している」と述べ、政府と足並みを合わせる考えを示した。ただ、自民には賛否両論があり、別の自民幹部は児童手当の縮小について「あんなことしちゃだめだ」と語った。

 政府は「子どもの数や所得水準に応じた効果的な給付のあり方を総合的に検討している」(坂本哲志少子化対策担当相)としており、財源を待機児童対策として2024年度末までに約14万人分の保育の受け皿の整備に充てる方針だ。官邸幹部は「あれもこれも、公明の言いなりというわけにはいかない」と話す。(太田成美)