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 昨年7月の参院選・広島選挙区で初当選した河井案里(あんり)議員(47)=自民党を離党=の陣営が車上運動員に違法な報酬を支払ったとされる事件で、最高裁第一小法廷(山口厚裁判長)は、公職選挙法違反(買収)の罪に問われた公設秘書・立道(たてみち)浩被告(55)の上告を退けた。懲役1年6カ月執行猶予5年とした一審・広島地裁判決が確定する。25日付の決定。

 判決確定を受けて、広島高検は30日以内に連座制の適用を求める行政訴訟を広島高裁に起こす。検察側が勝訴すれば案里議員は当選無効となって失職し、5年間は同一選挙区からの立候補もできなくなる。

 立道被告は、案里議員の夫・克行衆院議員(57)=自民党を離党=の秘書らと共謀し、車上運動員14人に法定上限の2倍となる1日あたり3万円(総額計204万円)の報酬を支払ったとする罪に問われた。

 立道被告側は「従属的な立場で幇助(ほうじょ)したにすぎない」として、罰金刑が相当と訴えた。しかし広島地裁は、被告は「遊説責任者」として行程表を作成し、違法な報酬の支払いを会計担当者に直接指示したと指摘。「主体的、積極的に関与し、犯行の実行行為を担った」と認定し、懲役刑とした。二審・広島高裁もこの判断を支持した。

 立道被告について、検察は公選法上の「組織的選挙運動管理者」と位置づけている。選挙運動の計画や指揮をする立場で、禁錮以上の刑(執行猶予を含む)が確定すれば候補者は連座制の適用対象となる。

 案里議員と克行議員は、この選挙で地元県議らを買収したという別の公選法違反罪で逮捕・起訴され、東京地裁で公判中だ。(阿部峻介)