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 側溝に転落した男性を救助したとして、南アルプス署は28日、男女6人に感謝状を贈った。近隣住民らの迅速で連係の取れた救護活動が男性の命を救った。

 「え!消えた?」。15日午後6時半ごろ、山梨県南アルプス市田島の市道を大学生の丹沢朱音さん(19)=同市西南湖=が車で通りかかると、前方を走っていた自転車が突然消えた。よく通る道で側溝があることも知っていた。「もしかしたら落ちたのかも」。現場へ行くと自転車が倒れていた。

 車で通行していたパート金丸孝代さん(53)=同市田島=も自転車の人がいなくなった異変に気付き、車をおりて現場へ向かった。

 丹沢さんがスマートフォンのライトで照らすと、顔が血だらけの男性(55)が側溝に倒れていた。冷たい水が勢いよく流れる中、顔の半分が水につかっていた。金丸さんは呼吸確保のために頭を持って仰向けに。声をかけると男性は「動けない。助けて」。丹沢さんは119番通報し、男性が流されないように体を押さえた。側溝の深さは約70センチ。2人では持ち上げられないと判断し、金丸さんは夫に電話。夫が近隣に声をかけ、会社員村松美和さん(53)、会社員亜美さん(23)親子と会社員笹野光彦さん(55)、同市役所職員由美夏さん(29)親子もかけつけ、側溝に入ってずぶぬれになりながら、男性を歩道に引き上げた。自宅から持ち寄ったバスタオルや毛布を男性にかけて救急車を待った。

 男性は頸椎(けいつい)損傷の重傷で現在入院中。署によると、迅速な救護活動がなければ、命を落としていた可能性もあるという。

 感謝状を受け取った丹沢さんは「とにかく助けなきゃと必死だった。助かって安心した」。金丸さんは「他の方々と協力して助けることができた。早く元気になってほしい」と話した。(玉木祥子)