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 青森市の浅虫水族館がコウイカ類の「エゾハリイカ」の繁殖に成功し、無事に成長した2匹を飼育・展示している。同館によると、飼育下の個体が繁殖に成功したのは国内で初めて。小ぶりでぷっくり丸みをおびた姿が来館者を和ませている。

 エゾハリイカは胴長が約12センチ、北海道南部から台湾にかけて生息しており、「墨イカ」の名で食べられることもある。同館では、2018年末に飼育・展示を始め、19年3月にオスの求愛行動が世界で初めて確認された。ただ、その年に孵化(ふか)した個体はすぐに死んでしまったという。

 今年は、飼育個体が2月から3月にかけて産んだ卵307個を昨年より低い水温で管理すると、5、6月に20個が孵化した。エゾハリイカは飼育例が少なく、生態が分かっていないため、繁殖・飼育方法は全て手探り。11月中旬まで生き残ったのは2匹だった。2匹はそれぞれ胴長約3、4センチまで成長。1匹はオスの特徴である長い腕が確認され、一方は長い腕が見られないためメスとみられるという。

 飼育担当の桃井駿介さん(28)は、「1日でも長く飼育できるよう頑張りたい。青森にこんなイカがいるんだと知ってもらい、かわいらしい雰囲気にいやされてほしい」と話した。(吉備彩日)