「11ぴきのねこ」作者出身の町救う 税収増に大活躍
横山蔵利
全国各地のふるさと納税には、根強い人気がある。青森県内の自治体の返礼品では、特産のリンゴ、コメ、マグロなどの食品が目立つ。しかし、三戸町では「11ぴきのねこ」シリーズのキャラクターが好評で、町のふるさと納税額を押し上げている。人口減少の影響で税収が目減りしている地方自治体。「11ぴきのねこ」は税収面で、まちづくりに大きく貢献している。
町によると、9月末現在で人口は約9700人、高齢化率は41・2%にのぼる。主な産業は、リンゴやサクランボの農業が中心という。人口は、1955年の1万7764人をピークに減少が続き、現在は1万人を切っている。当然、税収も減少傾向で厳しい状況が続いていた。
そんな中、同町出身の漫画家・絵本作家の故馬場のぼるさんの代表作「11ぴきのねこ」によるまちづくり構想が浮上。2010年ごろから「町中を『11ぴきのねこ』で」と町内のいたるところにキャラクターが描かれたポスターを掲示した。さらに毎年、ネコの石像を建てようと計画したが、資金難に直面していた。
転機はふるさと納税だった…