[PR]

 養殖ウナギを大きくておいしいメスに――。愛知県水産試験場内水面漁業研究所(西尾市)が、オスになることが多いとされる養殖ウナギを、効率的にメスに育てる技術を開発した。資源の有効活用と県産ウナギの供給量拡大が期待できるという。

 養殖ウナギは天然のシラスウナギを育てて生産する。同研究所によると、シラスウナギの雌雄は成長途中で分化する。理由は解明されていないが、養殖で育てると9割以上がオスになる。オスは大きくなると身や皮が硬くなるため、1匹あたり200~250グラムのサイズの段階で出荷されることが多いという。

 一方、メスのウナギはオスよりも大きく育ち、身も軟らかくておいしいとされる。研究所では2018年度から、養殖ウナギを効率的にメスに育てる技術の開発に取り組んできた。

 完全養殖の産卵用としてウナギをメスにする従来の技術を参考に、大豆食品に含まれる「大豆イソフラボン」に着目。これを混ぜた餌で育てると、9割以上がメスになったという。担当者は「豆腐や納豆といった普段我々が食べている食品由来のものを使うことで、安全に育てることができる」と話す。

 統計によると、西尾市などが主産地の県産養殖ウナギの生産量は、19年が4362トンで、鹿児島県に次いで全国2位。稚魚のシラスウナギは資源が枯渇しており、最近5年の価格は10年前の3~8倍に高騰している。従来の2倍ほどの大きさに育てても、おいしいメスが出荷できれば、資源の有効利用につながることが期待できるという。

 県では、21年度から一色うなぎ漁業協同組合(西尾市)と共同で養殖場での実証試験を開始。23年度ごろから、養殖業者への技術普及や市場への出荷を目指すとしている。(中野龍三)