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 このところ、なにやら「もののけ」たちがうごめいている。普段はひっそり隠れている彼らだが、世の中に不安が満ち、その存在感を高めている。妖怪は世相の映し鏡だと専門家は言う。彼らは現代社会に何を訴えようとしているのか。

 「妖怪は日本文化を考えるうえで忘れてはいけない不可欠なもの。若い人や海外の人も興味を持ち始め、世界から脚光を浴びている。日本文化史の空白を埋め、文化資源の素材として整備したい」

 妖怪譚(たん)が伝わる広島県三次市で11月、もののけシンポジウム「怪異・妖怪研究と日文研」が開かれ、妖怪研究で知られる小松和彦・国際日本文化研究センター(日文研)名誉教授は、そう語った。

 小松さんに言わせれば、神仏の研究はたくさんあるのに、それに敵対し退治される側、つまり妖怪たちの体系的な研究はほとんどなかったそうだ。文学や能、歌舞伎にも登場するのに研究対象になることはまれで、民俗学においてさえ脇役的存在だった。

 しかし、ここ20年ほどで急速に認知が進み、妖怪や鬼といった存在はすっかり市民権を得たかに見える。背景には何があるのか。

 「妖怪は社会と日常生活に結びつき、世相を映し出す存在。日本文化を考えるうえで重要な位置を占めていることがわかってきて、社会の認識が変化した」と常光徹(つねみつとおる)・国立歴史民俗博物館名誉教授はいう。

 ちまたでは「妖怪ウォッチ」や…

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