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 暴力団の対立抗争を封じ込めるため、暴力団対策法に基づき「警戒区域」に指定された兵庫県尼崎市で、山口組と神戸山口組によるとみられる発砲事件が相次ぐ。警戒区域は10府県17市町に広がっているが、抗争事件が起きたのは全国初。住民の安全を守ることができるのか。警察はさらなる対策を求められている。

 11月3日昼、祝日の住宅街に「パン、パン」と乾いた音が響いた。直後に「うわぁ」という男性の叫び声も。現場は尼崎市稲葉元町2丁目のコンビニエンスストア近く。神戸山口組の直系組長(64)が両足を、一緒にいた組員(61)が手を撃たれ、血だらけの2人を近くの住民が介抱した。

 殺人未遂容疑で逮捕されたのは、対立する山口組系の52歳と54歳の組員。それぞれ5日と11日に兵庫県警に出頭した。使われたとみられる拳銃は神戸市長田区の新湊川で見つかった。

 県警が警戒を強めるなか、18日未明には北に約1・2キロ離れた尼崎市南武庫之荘5丁目の住宅に銃弾3発が撃ち込まれた。捜査関係者によると、山口組系の組幹部宅で、3日の銃撃事件の報復とみられる。

 尼崎市内では1年前の11月27日にも、阪神尼崎駅近くの繁華街で神戸山口組の幹部(当時59)が自動小銃で射殺される事件が起き、山口組系の元組員(53)が逮捕されていた。

 山口組と神戸山口組の対立が激化し、市民生活に影響が出かねない――。この射殺事件などがきっかけとなり、兵庫や大阪、愛知など6府県の公安委員会が今年1月、双方を「特定抗争指定暴力団」に指定した。これにともない設定されたのが、両組織の活動を厳しく制限できる警戒区域だった。関係する組事務所などがある大阪、神戸、名古屋市など6府県10市が対象になり、尼崎市もその一つ。その後、10府県17市町に広がった。

抗争、福岡では「ぴたりと」やんだが…

 特定抗争指定は、2012年10月施行の改正暴対法で導入された制度で、同12月、福岡県内に本拠を置く道仁会と九州誠道会(現・浪川会)を指定したのが初めて。当時、抗争はぴたりとやみ、14年5月には双方の会長が抗争終結の意思を福岡県警に伝え、指定は約1年半で解除された。

 今回の指定はこれに次ぐもので、九州での「成功」が念頭にあった。だが、警察庁によると、尼崎市で今月3日に起きた銃撃は、警戒区域で起きた初の抗争事件になるという。

 警戒区域では、組員がおおむね5人以上で集まる▽組事務所に立ち入る▽対立組織の組事務所に近づく――ことなどが禁止される。こうした行為を確認すれば、警察は中止命令などを経ず、すぐに組員を逮捕でき、抗争につながる行為を防ぐと期待されていた。

 だが、実際の運用には難しさが…

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