拡大する写真・図版「東洋のハワイ」と称された海南島南部・三亜市の海水浴場=2020年7月12日、海南省三亜市、福田直之撮影

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 中国南部のリゾートとして有名な海南島を、「関税ゼロ」で規制も緩い自由貿易港にする――。中国政府がそんな政策を進めている。唐突とも映るプロジェクトに込められた狙いとは。(海口=福田直之)

 「東洋のハワイ」と称される美しい海岸線で知られる海南島。南部のリゾート・三亜や北部の省都・海口といった都市を除けば、ヤシなどが深く生い茂る。中国にありながら、気候は温帯と熱帯の境目で、景色は西に海を隔てたベトナムに近い。

 中国政府が今年6月に発表したのは、この島全体を「関税ゼロ」の貿易拠点にするという計画だった。

拡大する写真・図版海南島周辺の地図

 島の北西部には、島随一の工業地区「洋浦経済開発区」が広がる。115平方キロの敷地に10万人が住み、中国沿海部と東南アジアの各地とをつなぐ海運の拠点だ。域内の工業総生産の40%を稼ぐ重要拠点の洋浦はすでに先行して輸入関税がゼロになっている。

ベトナム、香港…多いライバル

 開発区に工場を持つ製麺会社の「内モンゴル恒豊食品工業集団」は関税ゼロをいかし、オーストラリアとカナダから小麦、東南アジアからはコメ、欧米からは油脂を輸入している。関税がない分、製造にかかるコストが下がり、輸出に有利だ。財務担当の許穎さんは「ビーフンを生産し、ベトナムに売りたい」と話す。

 中国政府は洋浦だけでなく海南島全域で輸入関税をゼロにする。まずは数年内に日用品などを対象に始める。外国から島内へ原材料を輸入しやすくし、低コストで生産できるようにする。

 狙いは、製造業の輸出競争力を…

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