新型コロナウイルスは目に見えないと言うけれど、10月のパリはその存在を間近に感じるくらい、感染が広がった。息子の幼稚園では教職員5人が濃厚接触で出勤停止、その後教員に感染者も出た。私が勤めるパリ支局でも、スタッフの知人が感染した。
かくして、日本と比べて人口は半分程度ながら、10~60倍の新型コロナウイルスの感染者がフランスでは連日確認されてきた。死者数も今月は連日500人前後に及んでいる。
拡大するパリの公立幼稚園。外出禁止期間中でも学校は例外的に開けていた。テロを警戒し、銃を持った兵士(左)が警備している=11月12日、疋田多揚撮影
外出禁止が続くパリに暮らしていつも考える。
日本も第3波に見舞われているけれど、数からすると文字どおり桁違い。いったい、この差はどこから来るのだろう? フランスでもその理由に様々な臆測が出ている。魚に多く含まれるビタミンDの摂取が効果的とか、旧人のネアンデルタール人に由来する遺伝子を持つとリスクが高いとか、フランスのメディアもいろいろな説を紹介している。仏紙フィガロは「アジアの国々の成功のカギ」と題した21日の記事で、「2003年に流行したSARSを経験した」「マスクの文化がある」などとその背景を分析した。
しかし、欧州も第1波を経験し、その後マスクの着用は義務化された。それでも第2波を招いたわけで、正直なところ、よくわからない。
フランスで2度目のロックダウン(都市封鎖)が始まる直前の10月中旬、スペインに出張する機会があった。道中、両国の感染対策の違いを考えた。
出張前、私がパリ近郊で念のためコロナの検査を受けたのは10月14日。
同僚が前日に同じ検査機関で検…
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朝日新聞国際報道部