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 「北加賀屋の美術館によってマスクをつけられたモナリザ、さえも」。人を食ったようなタイトルの展覧会を、名画や著名人などに扮したセルフポートレートで知られる森村泰昌が大阪・北加賀屋の私設美術館で開いている。コロナ禍の「新しい日常」にあえて冷めたまなざしを向ける美術家に、胸の内を聞いた。

 展覧会タイトルはマルセル・デュシャンの代表作のもじり。モナリザを模した既存のセルフポートレートに「誰が正しいのかわからない」といった文字入りのマスクを重ねるアイデアは、モナリザのカードにひげを描き入れたデュシャンの作品に通じる。

 「僕の作品の源流をたどると、既製品を使うデュシャンのレディーメイドの手法に行き着く点が多い。大騒ぎして右往左往する今の世の中を冗談にはできないけど、冷静な、ちょっと冷めた目で見る。そういう今回の展覧会の批評精神も、デュシャン特有のアイロニーと合うかなと」

 「今、世界は極めてバカバカしく狂った状態だと思う。閑散とした屋外でも『私は気を付けてますよ』という印、マナーとして皆がマスクを着けていて、自分も着けてるんだけど、20年後に振り返って『あれは何だったんだろう』となる可能性もなくはない。皆が言うから信じるのではなくて、もしかしたら間違ってるかもと理解した上で従うのがいいんじゃないかな」

 無人の映画館を模したインスタ…

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