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 都市でも農村でも見かける代表的な雑草の一つ、イネ科のメヒシバが、それぞれの環境に適応して異なる姿へ遺伝的に分化していることを、東京大農学生命科学研究科の深野祐也助教らのグループが報告した。

 グループはまず、関東地方の市街地と農地で採集したメヒシバを同じ条件で育てた。すると、市街地の個体は細い茎が横へ広がって丈の低い「匍匐(ほふく)型」に、農地の個体は太い茎が上へ伸びて丈が高い「直立型」になる傾向が確認できた。

拡大する写真・図版市街地のメヒシバは、茎が横たわる匍匐型の姿になる(深野祐也さん提供)

拡大する写真・図版農地のメヒシバは、茎が立ち上がった直立型の姿になる=深野祐也さん提供

 次に、条件を変えて育てた。周りに他の個体や植物が少なく、光をめぐる競争が少ない市街地のような環境では「匍匐型」の個体が、逆に競争が激しい農地のような環境では「直立型」の個体がよく成長した。立ち上がるために茎が太くなると、農地の土壌をかき回すロータリー除草で切れにくくなり、生き残りやすいことも分かった。

 深野さんは「光などをめぐる個体間の競争条件が、姿の分化を引き起こしているようだ。都市の環境は人が作り出したことを考えると、分化は近年になって急速に起こった可能性がある」と話している。(米山正寛)

拡大する写真・図版市街地の道路脇で見かけたメヒシバ=東京都文京区

拡大する写真・図版農地で見かけたメヒシバ=東京都八王子市