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 10月にシステム障害を起こした東京証券取引所と親会社の日本取引所グループ(JPX)に対し、金融庁は業務改善命令を30日出した。売買の終日停止を招いた責任を取り、宮原幸一郎・東証社長は同日付で辞任。清田瞭・JPX最高経営責任者(CEO)が記者会見を開き、当面は社長を自ら兼務すると表明した。

 システム障害による東証への改善命令は2012年以来の3度目。清田CEOは「市場関係者に多大なご迷惑とご心配をおかけしたことを改めておわび申し上げる」と謝罪。宮原氏から辞任の申し出があり受理したという。システム障害を受けた社長辞任は05年以来。前東証社長である清田氏による兼任は「経営に混乱がないようにするため」として、暫定措置と強調した。

 JPXは12月から4カ月分の幹部の減給も発表。清田氏が月額報酬の50%、横山隆介・JPX常務執行役が同20%、東証で株式市場を担当する川井洋毅執行役員が同10%それぞれ減らす。東証の長谷川高顕株式部長と田村康彦IT開発部トレーディングシステム部長は厳重注意とした。

 1999年の東証の取引システム化後、終日売買停止は初めて。金融庁は10月下旬から立ち入り検査をしていた。業務改善命令で、責任の所在の明確化を求めるとともに、取引再開時のルール整備やシステム障害に備える訓練などが不十分だったと指摘し、障害時の「レジリエンス」(回復力)を高めるように求めた。「全面的かつ終日止まったのはこれまでに比べても大きい。結果の重大性も考慮した」(幹部)という。

 システム障害は10月1日に起き、東証は当日の取引開始を見送った。同じシステムを使う札幌・名古屋・福岡の各取引所でも終日停止するなど混乱が広がった。(箱谷真司、柴田秀並)