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 子を産み、育てる権利を奪われた原告の訴えは届かなかった。大阪地裁は30日の判決で、旧優生保護法(旧法)を差別的で違憲としつつ、時の経過によって権利が消滅する「除斥期間」を適用し、国への賠償請求を退けた。原告や弁護団から落胆と怒りの声が上がった。

 30日午後、大阪地裁の202号法廷。

 原告3人のうち聴覚障害のある70代女性とその夫の80代男性は原告席に座り、手話通訳を介し、判決主文や理由の説明を受けた。

 判決後、大阪市内であった会見で「裁判官は悔しさとか苦しみをわかってくれているのだろうか」「怒りがおさまらない」。夫妻は大きな身ぶりの手話で憤りを示した。

 生まれつき耳が聞こえない女性は1970年、夫と結婚。4年後に帝王切開で赤ちゃんを出産したが、生後まもなく亡くなった。この日の判決で、出産の際、理由を告げられずに不妊手術を受けたと認定された。

 判決は、旧優生保護法(旧法)が差別的だとして法の下の平等を定めた憲法14条に違反するという初判断を示した。原告側弁護団の辻川圭乃(たまの)弁護士(大阪弁護士会)は「仙台地裁より踏み込んで評価できる」と指摘。夫も「法律が差別にあたると言ったのは良かった」とした。

 それでも、訴えは認められなかった。夫は「判決も障害者差別だ。裁判所は、障害や長年の苦しみを理解していない」と落胆した。

 夫妻は今後、旧法をつくった国の責任を問いたいとして控訴を検討する。妻は「周りの支援が得られれば、もう一度、私たちの訴えを司法の場で考えてもらいたい」。手話の手ぶりに力を込めた。

 もう一人の原告、知的障害のある女性(77)の姉は弁護団を通じ「妹は長い間苦しんできた。請求が認められず大変残念に思う」とコメントした。

原告に立ちはだかる「除斥期間」の壁

 また「除斥期間」の壁が原告ら…

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