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 JR信越線・帯織駅(三条市)に、会員登録すれば本格的な工具が使える工房ができた。ものづくりが盛んな燕三条らしい施設をつくろうと、町工場の若手経営者らが無人駅の活用事業に応募。「若い作り手の育成や交流にも力を入れたい」と期待を込める。

 駅舎の横に10月、「EkiLab(エキラボ) 帯織」がオープンした。広さ10畳ほどの建物内には、スパナやのこぎりなどの工具がずらり。設計用のパソコンもあり、自由にデザインしたデータを機械に読み込ませて作ることもできる。

 例えば、木材の加工機械でオブジェを削り出したり、アクリルを切り出す機械でアクセサリーを作ったり。3Dプリンターも設置した。会費(個人は月980円、企業は月1万円)を払えば、いつでも利用可能。週3~4日使うという長岡市の上村達彦さん(32)は「思いついたら、すぐ作れるのが魅力。集中して作業ができる」。ピアスやイヤリングを作り、インターネットなどで販売している。

 EkiLabを運営するのは、三条市内の町工場の若手経営者らが作った「株式会社ドッツアンドラインズ」。溶接会社の3代目でもある社長の斎藤和也さん(33)は、後継者不足で廃業する工場が増えてきた燕三条の状況を思い、EkiLabを考案したという。「ものづくりが面白いということを、若者にしっかり伝えなければ」

 昨年、JR東日本が募っていた無人駅活用事業で採用に。駅舎の一部や敷地をいかしている。工房の建設費など事業費の一部としてインターネットで支援を募ると、約330万円が集まった。

 EkiLabでは難しい高度な加工を希望する会員には、燕三条の専門工場を紹介することも。工房として開放するだけでなく、子ども向け体験教室などのイベントも催して「ものづくりファン」を増やそうともしている。「ものづくりのイメージを、楽しくてかっこいいものに変えたい」と斎藤さん。ユーチューブチャンネルも開設。有名配信者とのコラボも既に実現し、幅広い世代にものづくりの面白さをさらに伝えたいという。

 小学生が下校時に立ち寄ることもあるそうだ。「いきいきとした表情がすごくうれしい。ここは学校でも職場でもない場所。様々なアイデアを発信する場にしていきたい」。問い合わせはドッツアンドラインズ(050・1744・3814)へ。(高橋俊成)