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 三菱重工業は「脱炭素」に向けた事業の拡大や技術開発に、2021年度から3年間で計2千億円を投資する。18年度からの3年間と比べて1.5倍に増やす。今後の成長に向けて、事業化が困難になったジェット旅客機にかわり、二酸化炭素(CO2)の回収や利用、水素やアンモニアを使う発電といった新技術の開発に重点を置く。

 30日に開いたエネルギー事業の記者会見で、細見健太郎常務は脱炭素関連の事業について「2030年までに技術的なめどをつけ、40年代で事業化して収益を刈り取っていく」と話した。10月末に公表した21年度から3年間の中期経営計画で「脱炭素」の分野を将来的な経営の柱に据えるとの方向性を示していた。

 CO2排出を実質ゼロにする「脱炭素」をめぐっては、欧州連合が50年までにカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量の実質ゼロ)を目指すと表明。日本政府も10月、50年までの実質ゼロ達成を目標に掲げた。CO2削減に向けた各国の動きを、三菱重工では稼ぎ頭の発電設備で商機に結びつけたい考えだ。

 火力発電では、排出したCO2の90%以上を回収する、回収後に再利用するといった新技術を確立させるという。中長期的にはCO2を出さないアンモニアや水素を燃料とする発電設備の開発を目指す。

 原子力発電については、CO2の大幅な削減のためには「必須」と位置づけた。国内原発の再稼働を後押しすることや、安全性を高めた新型炉の開発を進める計画を示した。

 今後、再生可能エネルギーとして期待される洋上風力発電では、提携するデンマークの大手メーカーとともに市場の拡大を目指す。(小出大貴)