浦山ダム、浚渫船による湖底土砂除去作業

原裕司
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 昨年10月の台風19号の影響で、過去最大とされる土砂の流入がダム湖にあった埼玉県秩父市の浦山ダムで、供用開始以来、初めてとなる浚渫(しゅんせつ)船による土砂の除去作業が行われている。湖底にたまった土砂を取り除き、治水機能を維持するのが目的。30日、作業が報道陣に公開された。

 浦山ダムは市内に4カ所あるダムの一つで、荒川水系の浦山川をせき止めている。治水や利水、発電などを目的に1999年4月に運用が始まった。

 ダムを管理する水資源機構荒川ダム総合管理所によると、昨年3月から今年3月までの1年間に流入した土砂は7万6400立方メートルで、過去20年間分を合わせた流入量に相当するという。今年4月以降も土砂の流入が続いているという。

 管理所は今年4月からダム湖上流部の河川周辺の土砂除去作業を行ってきたが、湖底に堆積(たいせき)する土砂の量が多いため、11月4日からは、浚渫船による除去作業を始めた。土砂を湖底からすくう専用の機械を湖面に固定し、ショベルで土砂をすくい上げる作業を繰り返している。土砂は運搬船で湖岸に運ばれ、トラックで下流の指定場所に積み上げられていく。1日に240~250立方メートルの土砂をすくい取る。作業は12月下旬まで続く。

 台風19号の豪雨では、浦山ダムには過去最大となる毎秒423立方メートルの雨水が入り込み、それに伴い大量の土砂や流木が流れ込んだ。湖底には一定程度の土砂が堆積するが、その量が多いとダム機能が低下するため、本格的な除去作業に取り組むことにした。

 管理所によると、浚渫船による除去作業は当初、夏前に始める予定だったが、コロナ禍で準備がずれ込んだという。(原裕司)