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 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、大阪市立総合医療センター(大阪市都島区)が、がんなどを患う15~30代半ばのAYA(思春期と若年成人)世代の専用病棟を12月上旬に一時的に閉鎖することがわかった。新型コロナ患者の治療に当たる看護師が不足し、専用病棟の看護師で補うためだという。大阪府の感染状況が最も深刻な「ステージ4(感染爆発段階)」に迫る中、一般患者の医療の質の確保にも影響が出ている。

 同センターの専用病棟は国内2番目の施設として2018年4月に新設され、現在38床に約20人が入院し、20人程度の看護師がつく。同年代の患者同士で悩みを共有し合うなどして闘病中の孤立を防ぐほか、ソーシャルワーカーが経済的な問題の相談に乗るなど、治療だけでなく、社会的、心理的なサポートにも力を入れてきた。

 しかし、最近の新型コロナ感染者の急増で医療体制が逼迫(ひっぱく)。重症者を診る同センターや中等症対応のコロナ専門病院の市立十三(じゅうそう)市民病院(大阪市淀川区)で、新型コロナ病床を拡大することになったが看護師が足りないため、同センターを運営する大阪市民病院機構では26日、AYA世代専用病棟を一時閉鎖し、その看護師をあてることにしたという。

 同機構によると、専用病棟の患者は全てセンター内の別病棟に移して治療を続ける。専用病棟をいつ再開するかは決まっていないという。専用病棟での治療にかかわる職員は「全国的にも数少ない貴重な病棟。コロナ対応が必要なのはわかるが、こうした専門的なケアができる場所が削られるのはおかしい」と言う。

 府は新型コロナ対応の重症病床を206床確保するが、実際に運用できる病床は143床にとどまる。府は医療機関に運用できる病床の拡大を求めており、これまで患者を受け入れてきた公立病院などが病床確保を急いでいる。

 同センターでは、新型コロナ対応による看護師不足のために4月にがんの緩和ケアや整形外科を中心とする病棟を、8月には婦人科病棟を同様に閉鎖している。機構の担当者は「新型コロナの治療との両立で、一部の病棟を縮小せざるを得ない。あくまで一時的な対応として患者さんに理解してもらいたい」と話す。

 厚生労働省によると、現時点で同じような事例がほかにもあるかは把握していないという。同省の担当者は「新型コロナと一般医療のバランスをみて病床の確保をお願いしており、最終的には都道府県などで判断してもらうことになる」としている。(山中由睦、堀之内健史)

「重要な医療が切り捨てられていく」

 15~30代半ばのAYA世代…

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