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 新型コロナウイルスの感染拡大は年の瀬も続き、国内の新たな感染者数は31日、過去最多を600人以上、上回った。政府や首長らが繰り返し注意や対策を呼びかけてきたが、効果は出ていない。野党からは緊急事態宣言を求める声も出るなど、より強い対策が必要とする声が上がった。

 「コロナにとっては、年末も年始もありません。特にこの寒い時期、感染拡大は非常に厳しい状況です」

 この日、初めての1千人台となる1337人の感染が確認された東京都。小池百合子知事は報道陣を前にそう危機感を訴え、「静かなお正月を、ステイホームで送っていただきたい」と改めて呼びかけた。

 立憲民主党の枝野幸男代表や国民民主党の玉木雄一郎代表は31日、SNSなどで政府に緊急事態宣言の発出を求めた。枝野氏は動画で「政府与党には、今こそ緊急事態宣言の発出と医療機関への支援を強く求めたい」と訴えた。玉木氏はメールマガジンで「首都圏に限定して出すことも一案」と指摘した。

 菅義偉首相は同日、首相官邸で、宣言を出す考えはないか記者団から2度問われたが、「まず今の医療体制をしっかり確保し、感染拡大回避に全力をあげることが大事だ」などと述べるにとどめ、宣言自体に触れなかった。

 新型コロナは、2020年1月に国内で初めて感染者が確認された。3月から5月にかけて感染拡大の「第1波」、夏に「第2波」に見舞われ、その後も収束にいたらないまま、秋以降に「第3波」に襲われた。経済への影響を考慮し、政府は再び緊急事態宣言を出すことは見送ってきたが、12月に入って感染者は急増。1日の感染者数が3千人台に上る日があり、大みそかの31日には一気に4千人を超え、過去最多を大幅に更新した。

 東京のほか、埼玉、千葉、神奈川、岐阜、福岡の5県でも31日に感染者数が最多を更新し、感染は全国各地で広がっている。

 医療体制のいっそうの逼迫(ひっぱく)が懸念されており、専門家からはより強い対策を求める声も上がっている。

 順天堂大学の堀賢教授(感染制御学)は「人の動きが減っていないので、さらに感染者は増えるだろう。医療の崩壊で1月末には亡くなる人が急増する恐れもある」と指摘。「都独自の緊急事態宣言を出すとともに、家族以外との会食の禁止や対面時のマスク着用の義務化など、より強い対策が必要だ。若い世代にも影響力のある人を巻き込んだキャンペーンなど、対策の周知に力を入れるべきだ」と訴えている。