調味料にも昆虫食の風 愛知の蔵元がコオロギでしょうゆ
初見翔
食糧問題を解決する手段としても注目される昆虫食が、ついに調味料にも――。「八丁みそ」に代表されるみその本場、愛知県の蔵元が11月、東京の昆虫食レストランと協力して、コオロギのしょうゆを商品化した。売れ行きは好調で、第2弾も仕込み中だ。
コオロギでしょうゆをつくったのは、1928年創業の野田味噌(みそ)商店(愛知県豊田市)。現代では珍しくなった木おけで仕込んだみそを「桝塚味噌(ますづかみそ)」のブランドで全国各地に卸している。年間の生産量は約2千トン。木おけ仕込みとしては全国最大規模の蔵元だ。
「みたらし団子や焼きおにぎりに合う」
4代目の野田好成さん(36)は5年ほど前から消費者向けのみそづくり教室を続けてきた。コオロギのしょうゆが誕生したきっかけは、ある日寄せられた、参加者の1人からの相談だった。
「昆虫を使ってみそがつくれませんか」
愛知県豊田市の老舗の蔵元が、大豆を一切使わずに昆虫のコオロギと米こうじ、塩でだけでしょうゆをつくりました。方向性としては魚醬(ぎょしょう)に近く、「やさしいうまみ」があるといいます。
昆虫も、みその主原料の大豆…