照屋健
マスクをつけるのが苦手な子どもたちがいる。とくに、発達障害の子の一部には感覚過敏があって肌蒸れや耳の痛みなどを感じやすい。マスクをせずに歩くと周囲の目が気になり、新型コロナウイルスの感染拡大後、外遊びにも行きづらいのだという。
そんな子どもたちや家族に、何かできないか。
動いたのが、J1王者の川崎を中心に、川崎市、富士通などの企業だ。11月21日、等々力陸上競技場に市内に住む発達障害のある子40人と家族を招待した。マスクを外しても広々としたピッチでとがめるものはいない。サッカー教室を楽しみ、驚かないよう音や光に配慮したセンサリールームという部屋でアウェーの大分戦をテレビ観戦した。
「普段は人がいるところが苦手。この子たちに合わせた取り組みで、ありがたい」。小6の航くんと参加した川崎市の井上友美子さんは話す。
取り組みは今年で2回目。市や3企業の担当者が集い、「何かできないか」とクラブに声をかけた。飛行機の利用や旅行も行きづらい、と全日本空輸(ANA)やJTBが協力。富士通は気持ちを表現するソフトを提供した。川崎の担当者は「クラブだけではできない。みんなで課題を理解するのが大事」という。
発達障害は全国で約48万人いるとされるが、「目に見えない障害」といわれ、悩みが共有されにくい。その存在を知ってもらおうと、クラブは広告塔の役割をになう。昨年は電光掲示板をひらがな表記にして子どもの理解を助け、ファンにも啓発。サッカー教室に参加した子は学校に行けるようになり、保護者から「胸を張って生きていいと思えた」と感謝されたという。
現地で活動を見た東京五輪・パ…
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