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 迷子の4歳女児を発見し、親族に引き渡したとして新潟県警長岡署は1日、女子中学生に感謝状を贈った。手がかりを探るため、中学生が考えた策は、女児が遊ぶ公園から自宅に近づいていく方法だった。

 女児を助けたのは、長岡市立南中学校3年の坂牧樹(いつき)さん。先月17日午後7時ごろ、自宅近くのコンビニエンスストアに向かう途中、前方の交差点で一人、信号待ちする女児を見つけた。不審に思い、横断歩道を走って渡り始めた女児を追いかけた。「パパとママはいないの?」と話しかけると、「いやー。追いかけないで」と逃げていく。楽しそうな様子だったという。

 「ちょっと待って」。視界に入るように手を広げて女児を止め、名前と年齢を聞くと、はっきりした返答があった。「何しに行くの?」と尋ねると、「遊び、いく」。家の場所は答えられなかったため、遊ぼうと誘って周りの公園の特徴を順に挙げていった。「家の近くの公園まで行けば、近所の人が女の子を家まで連れて行ってくれる」と考えたという。

 公園に向けて手をつないで歩き、疲れた女児を500メートルほどおんぶし、おねだりされて抱っこ。楽しそうに弾む女児を「良い子にしてね」となだめながら、今度はお姫様抱っこ。なんとか抱えて歩く途中、行方を捜していた女児の親族に声を掛けられた。発見から約15分。女児の祖父母宅に送り届けると、両親に「命の恩人です」と感謝されたという。

 「女の子を下ろした瞬間から筋肉痛になりました」と苦笑いの坂牧さん。「すごいことをしたという気持ちはなかったけど、無事に助けてあげることができて良かったです」と話した。幼いいとこと接した経験がいきたという。

 長岡署によると、同じ頃、女児の両親から「自宅から子どもがいなくなった」と110番通報があった。両親は「いつものように家の中でかくれんぼをしていると思っていた」と話しているという。

 山崎和幸署長は「時間帯も遅く、一つ間違えば命に関わる状況だった。子どもの気持ちを和ませるフレンドリーな対応も良かった。声をかけてくれて、ありがとう」と坂牧さんに感謝した。(緑川夏生)