記者の個性や思い伝える 活字メディアが音声始めた事情

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【TBSラジオ「荻上チキ・Session」 in 朝日新聞ポッドキャスト】①

 耳で聞く報道? ラジオがあるじゃない。なぜ新聞社が音声メディアに乗り出すの。

 記事に書ききれない話を、記者の肉声で伝える「朝日新聞ポッドキャスト」は、立ち上げから半年で130本以上を配信してきました。アップル社の展開するApple Podcastで「2020年を代表する番組」の一つに選ばれるなど、おかげさまで高い評価をいただいています。

 思い返せば、緊急事態宣言下の閑散とした街で、マイク1本を買うところから始めた取り組み。そこには、報道やジャーナリズムへの強い危機感がありました。

 TBSラジオ「荻上チキ・Session」で放送された「朝日新聞ポッドキャスト in Session」で、パーソナリティーの荻上チキさん、南部広美さんと、朝日新聞の神田大介・コンテンツ編成本部音声ディレクターが語っています。

 朝日新聞デジタルでは、放送では流せなかった部分も含めたディレクターズカット版をお聞き下さい。記事では全体の5分の1程度を公開します。

     ◇

荻上:どうして活字メディアの朝日新聞が、音声コンテンツのポッドキャストを作っているんでしょうか。きっかけは何でしたか?

神田:色々あるんですが、一つ言えるのは、けっこう学歴が良くって、いい給料をもらっているヤツが、正しいことを言うのって、ムカつくんですよね。

 朝日新聞の記者としてよく感じるのは、言葉が届いていないということです。たとえば、アメリカ大統領選。荻上さんが投票するなら、どちらに投票しますか?

荻上:そうですね。住んでいる地域によると思いますが……。

神田:さすがですね。僕は100%、バイデン氏に入れると思います。Sessionのリスナーさんも、バイデン氏に入れるんじゃないかなとも思います。ただ、そうは言っても、トランプ氏は7400万票を獲得し、バイデン氏の得票は8千万票でした。

 トランプ氏がこの4年間さんざん繰り返してきたのは、CNNやニューヨーク・タイムズなどのメディアについて「フェイクニュースだ」と言うことです。投票した人全員がメディアをフェイクだと思っているわけではないかもしれませんが、7400万人もの人がトランプ氏に投票した。トランプ氏は受け入れられているわけです。

 じゃあ、我々がやってきた仕事はなんなのか。メディアはファクトチェックをして、政権の色々な部分を書いてきた。でもアメリカではそういう現象が起きている。なぜか。それは、トランプ氏がかわいいからだと思うんです。

荻上:かわいい?

神田:かわいいじゃないですか。ちゃめっ気があって。あと、記者が現地にいる人に話を聞くと、「(トランプ氏は)俺たちのことをちゃんと忘れないでいてくれる」と。

 では、朝日新聞はどうでしょう? かわいくないですよね。ちっともかわいくない。

荻上:ネット掲示板の2ちゃんねる(現5ちゃんねる)では、キャラクター化されていましたけどね。

神田:そうやっていじっていただけるのは、大変ありがたいことなんですけどね。まあ、新聞そのものがかわいくないし、マスコミっていうものがかわいくないんですよ。

 僕らはいまや、読売新聞さんやNHKさん、毎日新聞さんがライバルではありません。みんなスマホで記事を見ているんだから、我々のライバルはLINEだったり、メルカリだったり、YouTubeだったりするんです。一つの画面を奪い合っている。お母さんや友達から送られてくるLINEのメッセージに勝たなければ、その画面を取れないんです。

 ということは、もっと記者が感じの良い、愉快な所を見せて、読者との距離を詰めないと、ニュースを見て、聞いて、読んでもらえない。聞いて、読んでもらえれば、「ああ、なかなか面白いじゃん」と思う人もいるかもしれない。

 だから、ポッドキャストで、もっと記者の個性や人となりを見せていきたいという思いです。

荻上:広告でも、マーケティングでも、最初にどうユーザーの注意を引きつけるかが鍵になります。

 でも、注意を引きつけた後、記事の場合、「読む時間がない」「難しそうだな」と思われてしまう可能性がある。そこで、ポッドキャストのような別媒体があると、「こっちなら聞いてみよう」と思ってもらえるかもしれないですね。

 では、ポッドキャストをやろうとなった時、どのように進めていったんですか?

神田:聞いてもらえます? 大変でしたよ。チームが立ち上がったのが、今年の4月。緊急事態宣言が出ていました。うちは新聞社で、収録のためのスタジオもなければ、マイク1本ないわけです。

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 続きは朝日新聞ポッドキャストでお聞き下さい。主な内容は以下の通りです。

錦糸町のヨドバシカメラで

・感染爆発のイタリアで、犬の首輪が

秋元康さんのようになりたい

・記者の考えはいろいろ、でも共通すること