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 政府が決定する医療用医薬品の価格(薬価)が、実際の取引価格よりも約8・0%高いとする調査結果を厚生労働省が2日、公表した。この価格差は、薬価を払う国民が負担する形となっているため、政府は取引価格に合わせて薬価を引き下げる方向で、来年度予算の編成過程で検討する。対象となる医薬品の範囲が今後の焦点となる。

 菅義偉首相が旗振り役となって薬価を毎年改定する仕組みが導入され、その初回として価格を調査した。隔年の定例調査だった昨年も同じ約8・0%の価格差だった。新型コロナウイルスの感染拡大で、サンプル数は例年の3分の2程度にとどまった。価格差を薬の種類別にみると高脂血症用剤(13・8%)が最も大きかった。

 価格差は薬価を来春、引き下げる根拠となるが、医療界からは「新型コロナ対応に追われ、例年のような交渉を経た価格差ではない」(日本医師会幹部)などとして引き下げに反対する声も根強い。医療機関の収入となる薬価の引き下げが経営に与える影響も踏まえながら、政府は今後の対応を検討する。(久永隆一)