文・富岡万葉 写真・高野良輔
拡大するはるな愛=高野良輔撮影
アイドルのモノマネでブレークし、テレビで笑顔を振りまくはるな愛。タレントや実業家など多くの顔を持つエンターテイナーが、今度は映画監督に挑んだ。
東京・六本木にあったゲイバー「吉野」のママ、吉野寿雄さん(撮影当時89歳)と、店を訪れた30代の3人の会話を描いた「mama」だ。吉野ママは戦後初とされるゲイバーに勤めた後、1963年に独立。三島由紀夫や美空ひばり、高倉健ら著名人と親交を築いた。はるなとは数十年来の付き合いになる。
30分の会話劇は「ほぼ台本なし」。戦時中の竹やり訓練、戦後の米兵との付き合い、恋の失敗談――。ママの半生はそのままゲイの歴史だが、軽い語り口は飲み屋の一コマのよう。見る側も店で話を聞いているようだ。「差別や修羅場の経験ですら、ママはお客さんの前で笑い話に変えてしまう。あたしがテレビの向こうで笑ってほしいのと同じかな」
描こうとしたのは、性的少数者ではなく、自分がどうあるかを探してきた一人の男性の人生。それは、大西賢示という男性に生まれた自身と重なる。
拡大するはるな愛=高野良輔撮影
はるな愛として暮らしているが、頭の中の男女の比率は「半分ずつ」。取材の日は、黒い服にトレードマークのポニーテールではなく下ろした髪。「これはあたしの中の大西賢示が裏方らしさをプロデュースしてるわけ」とにっこりする。
かつて悩んだもう一人の自分は…
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