[PR]

 6日を最後に営業を閉じる神宮球場内のうどん・そばの老舗「水明亭」。その味だけでなく、店主との交流を懐かしむ声も数多い。

 その部屋は、かつおと昆布でとったお出汁(だし)の香りで満ちていた。「水明亭さんが今年で終わりらしいのよ。先生もよく食べたでしょ。最後だから、どうぞ召し上がって下さい」。部屋の奥から、張りのある明るい声が響く――。

 声の主は東京都高校野球連盟を支えて60年近くになる横山幸子さん(78)。秋季都大会の準決勝が神宮球場で開催された11月14日のお昼どきのことだ。都高野連は春夏秋の各大会を神宮球場で開催する際、バックネット裏の一室を主催者本部として使い、運営に携わる顧問の先生たちが詰めている。

 部屋を出てすぐ右に曲がると、うどん・そばの「水明亭」、左に曲がれば神宮カレーの「欅(けやき)」がある。半世紀以上も続いた風景だ。

 夏の選手権大会は東東京大会のメイン会場で、西東京大会は5回戦まで別の球場を使う。「準々決勝でようやく神宮に来ると、朝から、うどんを食べる先生もいるのよ」と横山さんは笑う。「みんな楽しみにしているの。お弁当の先生も、みそ汁がわりに召し上がるんだから」。神宮カレーと水明亭のそばを、一緒に食べる人もいる。

 「水明亭」の店主、本村律枝さん(79)とは同じ年齢になる。ともに二十歳のころから、神宮球場の周辺で生きてきた。

 「球場に来てリッちゃんの顔を…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら