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 被爆地・広島を訪れたのをきっかけに平和を願う歌を作詞作曲し、ステージで歌い続ける高校生がいる。千葉県我孫子市に住む同県立印旛明誠高校(同県印西市)2年、柵木(まさき)愛さん(17)。「歌を聴いた人が、平和や貧困の問題を少しでも考えてくれたらうれしい」と話す。6日には我孫子市などが主催する「平和の集い」で、自分の思いを歌い上げる。

 母がキリスト教徒だった影響もあり、小さい頃から戦争や平和、命の問題に関心があった。中学2年のとき、我孫子市の広島への中学生派遣事業に応募した。

 原爆ドームや平和記念資料館などを訪れ、平和記念式典にも参列した。しかし、一番印象に残ったのは、偶然出会った高齢の被爆女性だった。「行ってきます」といつものように学校に向かったのが家族との永遠の別れになったことなどを、切なそうな笑顔で話してくれた。

 好きな歌手の曲をギターで歌ったり、日々思うことをノートに書いたりするのが好きだった。広島から帰ってきてから、「戦争への怒りなど、いろいろな思いを詞と曲に込めて歌いたい」と作詞作曲を始めた。

 最初の曲ができたのは中学3年の冬。受験勉強で苦しむ自分を励ます歌だった。高校入学前の春休みには、母の母国フィリピンで見たホームレスの人たちのことを思い出しながら、「GLOBAL PEACE」を作った。戦争や貧しさをなくすために手を取り合っていこうと呼びかける内容だ。

 今年9月、授業で原爆の話が出たとき、広島で出会った女性のことを改めて思い出した。「これを歌にしなくては」。女性の話を基に想像を膨らませて、いつも通り家を出て学校に向かう女学生が、赤く燃える街の中で命を奪われるという詞を書いた。みんなに一番聴いて欲しい歌「8月6日」ができた。

 最初にステージに立ったのは昨年6月。印西市での音楽イベントだった。同年9月の高校の文化祭でも歌ったところ、音響で協力してくれた同県佐倉市のライブハウスから誘われた。コロナ禍で中断はあったが、ほぼ2カ月に1回、そのライブハウスで歌ってきた。

 これまでに作った歌は十数曲。落ち込んでいる人を元気づけようとする歌や恋愛の歌もある。しかし、一番のテーマは戦争や平和、貧困だ。6日の「平和の集い」は我孫子市のけやきプラザで開かれ、この夏に広島に派遣された中学生らの報告もある。後輩の中学生や年配の出席者らを前に、「8月6日」などを歌う。「どう伝わるのか楽しみ。わくわくしています」

 集いについての問い合わせは同市企画課(04・7185・1111、内線212)へ。(三国治)

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