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 大地に過去の記憶を刻む遺跡のなかでも一風変わっているのが鉱物などの採掘遺跡だ。地球資源を利用した営みの痕跡は、いまひとつ地味ながらも希少な存在。その特徴を生かした町づくりをめざそうと、地元自治体は知恵を絞る。

 辰砂(しんしゃ)と呼ばれる真っ赤な顔料がある。先史時代の墓などに振りまかれた水銀朱の原料で、生命を象徴する血液や太陽を思わせ、再生の願いが込められているともいう。

 徳島県阿南市の山奥に位置する若杉山辰砂採掘遺跡は、その全国唯一の採掘跡だ。弥生時代後半から古墳時代初頭にかけての遺構で、坑道跡のほか石杵(いしぎね)や石臼といった加工道具が出土。2019年秋、国史跡になり、保存活用計画を策定中だ。

 この貴重な歴史遺産を、どう活用するか。阿南市で開かれたシンポジウム「古(いにしえ)の採掘遺跡サミット」では、黒曜石や金の産地、近世城郭に使われた石の切り出し場などを擁する自治体の首長や担当者が集い、おのおの取り組みを報告した。東日本や関西、四国から参加があり、顔ぶれは多彩だった。

 黒曜石の原産地がある長野県長…

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