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 マクロン仏大統領は、警察官の顔の撮影を規制する法案を修正する方針を決めた。表現や報道の自由への懸念を払拭(ふっしょく)するよう、与党幹部に条文の書き直しを指示した。法案は11月中旬に国会で審議が始まり、同24日に下院を通過したが、その後に警察官による黒人男性への集団暴行が監視カメラで暴かれ、反発が高まっていた。治安強化の姿勢を示したかったマクロン氏肝いりの法案だけに、政権には痛手だ。

 マクロン氏は11月30日、カステックス首相やダルマナン内相、与党幹部を大統領府に呼び出して協議。仏紙パリジャンなどによると、マクロン氏は政権に世論の批判が向かっていることについて、「あなたがたが招いたこの現状は避けられたはずだ」と述べ、警察擁護に偏った閣僚らの発言を非難。「フランスは自由を制限する国だと指をさされないよう、気をつけなければならない」と述べ、条文を見直すよう指示した。与党下院代表のカスタネール氏はその後の会見で「条文を全面的に書き換える。法案に寄せられている疑問を解消しなければならない」と語った。撮影の規制を緩めるとみられるが、具体的な修正内容には触れなかった。

 法案は、警察官が特定される形で撮影した映像を悪意をもって拡散した場合、禁錮1年、罰金4万5千ユーロ(約550万円)を科すことなどが柱。報道の自由を妨げるとの批判が当初からあり、11月28日には全国各地で合計13万人が参加するデモが行われ、法案の撤回を求める声が強まっていた。(パリ=疋田多揚)