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 ベトナムに帰国した知人女性に在留カードを日本へ郵送させ、その女性になりすまして新型コロナウイルス対策の特別定額給付金などをだまし取ったとして、ベトナム国籍の女が逮捕、起訴された。なぜ審査をすり抜けたのか。出国の事実が在留カードに記録されないことが一因という。

 詐欺と出入国管理法違反(他人名義の在留カード行使)などの罪で起訴されたのは神戸市中央区のグェン・ティ・ハン被告(30)。公判での検察側の冒頭陳述や兵庫県警の捜査関係者によると、2016年に留学資格で来日。コロナ禍で帰国できなくなり、在留期限が切れた今年4月以降は不法残留の状態だった。

 ハン被告は今年6月、ベトナムにいる知人女性に「仕事がしたい」とSNSでメッセージを送り、在留カードを貸してくれるよう頼んだという。

 この知人女性は17年に留学資格で日本に入国したが、出産準備のため今年1月に帰国。一時的な出国であれば在留カードを返納しなくてもよい制度を利用し、持ったまま出国していた。女性はハン被告の求めに応じ、自分名義の在留カードとキャッシュカードを国際郵便で送ったという。出入国管理法は、在留カードの常時携帯を罰則付きで義務づけているが、一時出国中は適用されない。

 ハン被告は7~9月、この在留カードを身分証代わりにして知人女性になりすまし、神戸市内の工場で働いた。だが、「生活費が足らなかった」という。

 ハン被告は在留カードを申請窓口で提示し、7~8月には知人女性が住民票を置いていた千葉県習志野市から特別定額給付金10万円を詐取。同様に在留カードを本人確認に使って住民票を神戸市に移し、8月に兵庫県社会福祉協議会が貸し付けを行う緊急小口資金20万円をだまし取ったとして、逮捕、起訴された。

 知人女性が一時出国中にもかかわらず、本人の住民票が神戸市に移されたことに大阪出入国在留管理局が気づき、なりすましが発覚した。兵庫県警は、知人女性にも出入国管理法違反(在留カード提供)の疑いがあるとみている。

 在留カードには、偽造対策のICチップが内蔵されているが、名義人が日本を出国したことは記載も記録もされない。

 申請の窓口で、ハン被告自身と在留カードの写真との違いに気づけば、なりすましは防げたはずだ。だが兵庫県警によると、どちらの申請窓口の担当者も、ハン被告がマスク姿だったため「見分けられなかった」と話しているという。迅速な給付のため審査が簡素化されていた時期でもある。ある県警幹部は「同じベトナム人ということもあって、見抜くのは難しかっただろう」と話す。

なりすまし→だまし取りの手口、他にも?

 在留カードは、在留期限を迎え…

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