[PR]

 雇い止めをめぐる労働審判で、第三者に審判内容を口外しないよう労働審判委員会に命じられ精神的苦痛を受けたとして、長崎県大村市の男性(59)が、国に慰謝料など計150万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が1日、長崎地裁であった。古川大吾裁判長は、審判に盛り込まれた口外禁止条項は労働審判法に違反すると指摘。一方、審判そのものは違法と認めず、男性の請求を棄却した。

 原告代理人によると、男性は2017年3月、県内に営業所を置く運送会社から雇い止めを受け、17年11月、同社を相手取り、地位確認などを求める労働審判を申し立てた。18年2月、審判委から、口外禁止条項を設けた内容で調停を提案されたが、男性は「支えてくれた同僚に審判が終了したことを伝えたい」と拒否。男性はその後調停を受け入れたが、19年1月、精神的苦痛を理由に提訴した。

 古川裁判長は判決で、口外禁止条項について「原告に過大な負担を強いる。相当性を欠き、(労働審判)法に違反する」と指摘。一方で、「(審判委は)双方に望ましい内容での早期解決の道を探っていた」とし、審判が違法とは認められないと判断した。(米田悠一郎)