小川崇
拡大する苗木を植えた山を訪れた宇都野信清さん。来るときには必ず朱美さんの写真と、使っていた帽子や長靴などを持参するという=2020年11月19日午後0時49分、愛知県豊田市御内町、岩下毅撮影
4年前、軽乗用車で帰宅途中の夫婦が前方の車に進路をふさがれ、トラックに追突された。事故で亡くなった妻は、ハープの演奏が好きだった。夫は、妻の夢をかなえるために、自ら育てた木で楽器をつくろうとしている。「あおり運転」などが厳罰化されたいま、夫は何を思うのか。
事故に関する裁判がすべて終わり、一つの区切りを迎えた11月。宇都野信清さん(59)は、切り株に腰掛けて木の成長ぶりを確認していた。愛知県豊田市にある山の一角で、2年前から苗木を育てている。晩婚の2人が将来描いていた「楽器の森」をつくるためだ。
妻の朱美さん(当時48)は芸大出身で、よくハープを奏でていた。コンサートを開くほどの腕前だった。
拡大する自然のなかでハープを演奏するのが好きだったという朱美さん=宇都野信清さん提供
あの日も、朱美さんが好きだっ…
残り:1227文字/全文:1529文字
【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら
速報・新着ニュース
あわせて読みたい
PR注目情報
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
朝日新聞社会部