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 佐賀県が国の新型コロナウイルス対策の交付金で作ろうとしている「鐘」が、3日の県議会一般質問で取り上げられた。交付金の使い道として疑問視する議員から、寄付で作ることを求められたのに対し、山口祥義知事は「(寄付では)限られた人の思いになる」として、コロナ交付金を使う姿勢を強調した。

 鐘は、知事が発案した「佐賀誓いの鐘」(仮称)。コロナに絡んだ差別や誹謗(ひぼう)中傷をなくそうと、交付金779万円を使って制作し、県庁正面に設置する方針を示している。

 中村圭一議員(自民)は3日の一般質問で「コロナの予算で作ることは違和感がある」とし「知事の思いを共有する県民の寄付で作るべきだ」とただした。

 山口知事は「そういった形で作るのは、限られた人の思いになってしまう。税金を原資とした予算議案として上げる。県民の代表の県議会が可決して設置する過程に大きな意義がある」と述べた。「予算は約800万円だが、(佐賀県の人口約)80万人で割ると十数円の浄財を集めて提案している」とも主張した。中村議員が「(県の)一般財源から支出すべきでは」と再質問すると、山口知事は「発案時は一般財源と思っていた。精査の中で交付金となされている。両方ありうると思うが、議論があると思う」と述べた。

 また坂口祐樹議員(自民)は「今すぐ必要でない。終息すれば作ればいい」とした。山口知事は「コロナで苦しんでいた時代を忘れないように残すことは、大変意義がある。闘っている今、設置することは将来受け継がれていく」と理解を求めた。予算のうち50万円を使い、鐘の趣旨などを記した説明板も設置するという。

 コロナ交付金の使い方をめぐっては、テレビの情報番組が先月25日、鐘などを批判的に取り上げ、山口知事は翌26日のコロナの対策本部会議で、「コロナと闘っている県民の心を傷つけた。抗議する。(出演しコメントしていたタレントの)田村淳さんも真実が分かれば、分かってもらえると思う」などと反論していた。

 県議会では2日も取り上げられ、「県のコロナ対策の内容や姿勢が伝わっていないのは残念」「一部メディアで批判があり、取り組みが正しく評価されていない」などと、議員たちが県がもっと説明するよう求めた。(松岡大将)