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 【東京】新型コロナウイルスの感染が再拡大する中、入院やホテルなどを活用した宿泊療養を利用せず、自宅療養する感染者が急増している。要因として無症状患者の急増があるとみられ、3日には過去最多の1050人となった。都の担当者は「自宅では容体急変時の対応が難しい。家庭内感染を避けるためにも施設を利用してほしい」と呼びかける。

 「自宅療養者の増加に伴い、健康観察などを担当する保健所の負担が増加している」

 都医師会の猪口正孝副会長は3日に開かれた都のモニタリング会議でこう危機感を示した。

 都は現在、新型コロナの患者用に2640床の病床を確保している。入院者は3日時点で、1685人と増加傾向が続く。都は、医療提供体制を逼迫(ひっぱく)させないため、無症状や軽症患者については宿泊療養施設の利用を促している状況だ。

 ただ、こうした施設を利用せず、自宅療養する人が急増している。11月1日時点では215人だったが、19日に533人となった後、増加ペースはさらに加速。30日には1015人に上り、初めて1千人を超えた。

 急増の背景にあるとされるのが、「自費検査」の広がりなどに伴う無症状患者の増加だ。10月は約1千人だったが、11月は約2千人と倍増した。宿泊療養施設だと部屋から出られる機会が限定的になる。「行動が普段の生活よりも制限されるため、無症状であれば避けたい人はどうしても出てくるとは思う」と、ある都関係者は明かす。

 さらに10代以下の感染者が増えていることも、自宅療養者数を押し上げる要因となっている可能性がある。11月7日までの1週間で約100人だったのに対し、12月2日までの1週間で約270人。施設は自立して一人で生活してもらうことが原則のため、高校生以下の生徒・児童は自宅療養せざるを得ないケースが多いとみられている。

 宿泊療養施設は食事付きで、看護師らが常駐している。約1900人分が確保されており、3日時点の利用人数は725人にとどまっている。都の担当者は「施設はまだ人を受け入れられる状態。介護などで自宅療養を選ばざるを得ない人もいるが、こうした事情がない人は、コロナ対策を自ら担うという思いでできる限り協力してもらいたい」と話す。(長野佑介)

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 新型コロナウイルスの警戒レベルについて、東京都のモニタリング会議は3日、感染状況は4段階のうち最も深刻な「感染が拡大している」、医療提供体制は2番目に深刻な「強化が必要」との前週の判断を維持した。

 新規陽性者は2日までの1週間平均が約443人と、前週の約400人から増加。会議では「日常生活の中で感染するリスクが高まっており、極めて深刻な状況になる前に感染拡大防止策を早急に講じる必要がある」との指摘が出た。

 また、医療提供体制については2日時点で、重症者数が前週より5人多い59人、入院患者数が前週より68人多い1629人になったことなどが報告された。会議では「コロナ患者のための医療と通常医療との両立が困難な状況が生じ始めており、今後、手術などを制限せざるを得なくなる」といった分析があった。