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 はるか昔、緑色にきらめく半透明の宝石が海を行き交った。新潟県糸魚川市周辺を産地とするヒスイだ。いにしえの日本海を代表する交易品で、全国の人々が追い求めた。なかでも北部九州の権力者たちは、より大きく、上質なものを得るために、注文生産までしていたようだ。

拡大する写真・図版中原遺跡(佐賀県唐津市)で見つかったヒスイの勾玉=佐賀県提供

 「ヒスイ海岸」と呼ばれる東西4キロのじゃり浜の海岸が、糸魚川市に隣接する富山県朝日町にある。緑と白が入り交じるヒスイの原石が、波で打ち上げられる全国でも珍しい場所だ。縄文~古墳時代の人々も、ここで石を拾っていたらしい。

 だが、産地は川をさかのぼった山の中なのに、なぜ海岸で拾ったのだろう。露頭から削りとる方が大きな石が確実に手に入り、効率もいいはずだ。

 朝日町教育委員会の学芸員、久保貴志さんは、実際に山中の原石を入手し、勾玉(まがたま)を作る実験をしたことがある。だが、目に見えない割れ目が多く、玉にすることができなかった。

 「川を転がり、海岸に打ち上げられるまでの長い間に、原石の弱い部分が削られ、加工可能な状態に磨かれる。いにしえの人々は、それがわかっていたのでしょう」

 ■地域で異…

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