600km先から送電線を遠隔監視、ドローンで実証実験
桜井林太郎
ドローンを使って送電線を遠隔で点検する実証試験の様子が、報道陣に11月26日公開された。東京電力と中国電力の送配電子会社、NTTデータ、日立製作所の4社でつくる事業組合が実施。目視なしで安全にドローンを飛ばすための航路づくりを今後進め、物流や測量などでも使えるように事業を広げたい考えだ。
送電線は落雷で損傷することが多く、上方から設備を確認する必要がある。従来は有人ヘリコプターで巡視・点検しているが、手続きや整備などに時間と費用がかかる。ヘリは数が限られるため、手軽に使えるドローンならば広域災害にも対応しやすい。
試験では、広島県府中市の山間にある長さ2・6キロの送電線の状況をドローンで調べるため、上空を26分かけて飛ばした。航路の位置情報をあらかじめ入力し、約600キロ離れた東京・虎ノ門から技術者らが遠隔でリアルタイムに監視・制御した。地表150メートル以上の高さでドローンを飛ばしたのは国内で初めてという。
事業組合の紙本斉士さんは「送電線の点検費用を従来の半分以下に減らせる可能性がある」と話す。東電管内では来年度から実際に導入を始める見込みという。(桜井林太郎)
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