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 五島列島北端の宇久島(長崎県佐世保市)で、九電工(本社・福岡市)などが計画している国内最大級の太陽光発電所(メガソーラー)建設事業をめぐり、市が事業者に出した公園敷地の使用許可の取り消しを求め、宇久島の住民が監査請求をした。市は1日までに審査手続きに入ったことを住民に通知した。

 監査請求書は11月16日付で受け付けた。請求書を出したのは、宇久島の旦ノ上(だんのうえ)地区の元区長、大岩進さん(82)。

 市は業者からの申請を受け、2月、宇久町総合公園内の約2ヘクタールをメガソーラーの作業員宿舎用地として使うことを許可した。事業者側は一部住民に対し、千数百人が入る規模の宿舎を建てると説明している。

 市財務規則は、こうした行政財産の目的外の使用許可を、「公益上その他必要やむを得ないと認められるとき」と定めている。

 監査請求書では、今回のケースでこの条項を適用するのは「裁量権の逸脱」と指摘した。理由の一つとして、宇久町総合公園のような都市公園が、人々のレクリエーションの空間や良好な都市景観の形成などに資することを求めた都市公園法の運用指針(国土交通省)に照らして「公益性を阻害した不当な裁量権行使だ」としている。

 請求書ではまた、防災上の観点からも問題視。市が同公園を島民の避難所に指定していて、巨大地震を想定した2016年の防災訓練ではオスプレイを離着陸させた事実も踏まえ、公園を宿舎として使うのは「救援機着陸場所の喪失」だと指摘している。

 九電工の開発部門が出した同公園の目的外使用の許可申請に対し、市は2月の決裁文書で、使用を認めた理由として「地元からの要望がある」「地元が宿舎として容認している」ことを挙げている。

 しかし、元区長19人は8月、事業促進を求めて2018年に出した要望書について、自ら「個人の立場で行った同意であり、地域住民の意思ではない」「公園の目的外使用の貸し付けに使われるとは予想もしなかった」として撤回を文書で市に申し入れた。

 大岩さんは申し入れを踏まえて9月末、行政不服審査請求に踏み切った。これについても市が10月から審査を進めている。(原口晋也)

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